世田谷文学館で開催中の企画展「あしたのために あしたのジョー!展 -情熱的にあすを生き抜くために-」を見てきました。マンガ原画ファンとしては見逃せない展示会です。
「あしたのジョー」は原作者・高森朝雄(梶原一騎)と漫画家・ちばてつやのによる少年マンガ。1968年の連載開始から50年を経て、スポーツマンガの金字塔といわれる作品です。
原画もたっぷり展示されていて満足しました。
面白いのは高森朝雄とちばてつやとのぶつかりあいから作品が誕生したという点。展示会でも二人がそれぞれ相手を評している文章が紹介されていて興味深い。連載の最終回が掲載された「少年マガジン」の表紙が拡大されて展示されていました。原作者と作画のふたりが表紙を飾っている。いまでは考えられない表紙である。ちなみに撮影は篠山紀信。
展示でユニークだったのは、原作原稿と作画を並べて、原作のどの部分が作画にどのように反映されているかを紹介しているコーナー。ハイライトされている部分が以外に少ない。ちばてつやが“勝手に"作画している部分がかなりあることがわかる。
そして順路の最後は当然「真っ白」になります。
展示を見終わってやや物足りないと思ったのはアニメ化や実写化された映像作品への言及がないこと。売店には出崎統の書籍の販売などがあったのにちょっと残念。
余談ですが、以前練馬区でも「あしたのジョー」展があり出かけたことを思い出します。いつまでも人々のこころに残る不朽の名作ということでしょう。