退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『スターリングラード 史上最大の市街戦』(2014) / スターリングラード攻防戦を題材にしたロシア映画

BSで放送された戦争アクション映画スターリングラード 史上最大の市街戦』(2014年、監督:フョードル・ボンダルチュク)を鑑賞。

1942年、独ソ戦のさなかソ連領内ヴォルガ川西岸に広がる工業地帯スターリングラード(現ヴォルゴグラード)をめぐる戦いで、史上最大の市街戦が繰り広げられようとしていた。ドイツ軍の非道な行為を目撃したソ連軍兵士の反撃を試みるが……。


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スターリングラード攻防戦を題材にしているが、本作で扱っているのはごく狭いエリアでの局地戦でありスケール感はない。もちろん戦争アクション映画なので戦闘シーンはあるが、人間ドラマを軸に展開していくスタイル。

しかしロシア映画のせいもあるのだろうか、どうも日本人の琴線に触れるものとはちがうような気がする。なかなか伝わりにくいのではないか。

この映画の冒頭、なぜか東日本大震災の救助シーンから始まる。日本人としては不思議な印象を受けるが、劇中日本人との絡みもないのにその必然性があるかわからない。

見どころと言えば、ドイツ機甲部隊が到着してタイガー戦車が姿を表すシーンは盛り上がる。ちゃんとドイツ軍の車両を再現されていて高評価。戦車の台数が少なくてやや物足りないが、戦車が砲撃するシーンもなかなか迫力がある。

ソ連兵士が火だるまになっても突撃するシーンや、ソ連兵市が破壊された戦車の装甲を利用して跳弾でドイツ軍陣地を砲撃するシーンはバカバカしくて正直萎える。昔のB級戦争映画のようだ。

それでもプロットはともかく現代の映像技術で一応見れる映像になっているのは評価できる。さすがにハリウッド映画のようにはいかないが、家庭で見る分には満足できるのではないか。

今回見たのは字幕版だった。ソ連兵はロシア語を話して、ドイツ兵はドイツ語を話しているのは下手に吹き替えされていなくてよかった。それだけでも雰囲気がぜんぜんちがう。

総じて面白い映画ではないが、戦争映画ファンやミリオタは一度は見ておくとよいかもしれない。

最後にスターリングラードの位置を確認しておく。ドイツからかなり離れてソ連領に深く入り込んでいることがわかる。これは無理ですわ。