政府の判断で検察幹部の定年延長を可能にする検察庁法改正案が継続審議になって驚いたが、その後、まもなくさらに驚愕のニュースが飛び込んできた。
週刊文春が、東京高検検事長の黒川弘務氏が産経新聞社会部記者や朝日新聞の元検察担当記者らと賭けマージャンをしていたことをスクープしたのだ。
さっそくエビの表紙の「週刊文春」の今週号をチェックした。写真はよく撮れているし、文章もなかなか読ませるスクープ記事だった。さすが文春砲といったところ。
まあ厳密に言えば「賭けマージャン」は賭博なのだろうが、賭けないでマージャンする人はどれだけいるのか。それよりも重大なのは、検察幹部とマスコミとのずぶずぶの癒着である。
産経と朝日の記者が同じ雀卓を囲むというのも不思議な光景だが、検察幹部を担当する番記者仲間だったのだろう。その実態は「接待賭けマージャン」だったことは想像に難くない。検察幹部を気持ちよく勝たせて、新聞社のハイヤーで帰宅させる「接待マージャン」である。
この調子でうまくやってネタを取ってくるのが番記者の慣行なのだろうが、検察の世論操作に利用されることも多いはずだ。ゴーン氏の逮捕の瞬間をメディアが撮影しているのも明らかに検察のリークであろう。「メディアの中立性」はどこに消え失せたのだろうか。
今回、検察幹部が賭けマージャンしてすっぱ抜かれるのもマヌケすぎるし、安倍内閣の閣議決定で定年延長を決めた検察幹部がこの体たらくというのも情けない。
黒川氏は「賭けマージャンで辞任した男」として不名誉な名前を残すのだろうが、卓を囲んだ記者連中は社内では「よくぞ取材対象にこれだけ食い込んだ」と賞賛されるのだろう。こうしたずぶずぶの関係が続くかぎり、検察もマスコミも国民から信用されないことだけは間違いない。