退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

東京都の休業要請がやっと出たわけだが…

政府が新型コロナウイルス感染により発出した緊急事態宣言を受けて、東京都は休業要請を検討していたが、本日、小池都知事から具体的な業種が発表された。


【ノーカット】小池都知事、独自の「休業要請」を公表 新型コロナ急増で緊急事態措置 (2020/04/10)

緊急事態宣言が発出されたのは7日だったが、都が休業要請の内容を発表したのが10日というのだからずいぶんと呑気なものだ。この背景については、休業要請をめぐり政府と都の間で考え方に齟齬があり、その調整に時間を要したという。

そもそも緊急事態宣言を出す前に調整できなかったのかという疑問がある。都は映画館や運動施設、集会施設、娯楽施設など中小規模も含めた多様な業種を対象にする方針をまとめて、内容を前もって公表していた。

しかし政府との協議の結果、百貨店やホームセンター、理髪店などは休業要請の対象から外れることになった。西村康稔経済再生担当相は、休業要請を出さずに「2週間程度様子を見る」という方針だったが、協議の結果、対象業種を変更して今週末に向けて休業要請が出させることになった。詳細は下図参照。

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東京都の検討している休業要請の内容(東京新聞 4月10日付)

もっとも都がまとめた業種リストを元に、すでに自治体が管理する施設だけでなく各業業界は緊急事態宣言の期間中の休業を決めたところもかなりある。私の利用するショッピングセンターでも、アパレルや化粧品関連のテナントは一斉に休業を決め、店舗から商品を撤去した店も多い。

混乱したのは、急に休業要請の対象から外れた業種の人たちだろう。今回の休業要請には「協力金」という名目で都独自の補償制度が設けられたが、その対象からも外れることになる。

都の当初の計画から後退したのは残念だが、週末前に休業要請を出せたのは評価したい。都と政府のどちらが正しかったのか。その答え合わせは2週間後ということになるが、できることはすべて迅速に実行に移すことが求められている。一刻の猶予もない。

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