イカれた映画雑誌として孤高の存在だった『映画秘宝』(2020年3月号)を読んだ。休刊号と謳っているが実質的な最終号である。
昨年末に『映画秘宝』休刊のニュースが流れて衝撃を受けたが、ついに最終号を手にすることになった。特集記事はは恒例の「2019年度 映画秘宝ベスト&トホホランキング」だった。最後までマイペース。
ただし記事の端々には「休刊」への言及があり、やっぱり終るんだなという雰囲気が漂っていた。
「雑誌は冬の時代」と言われて久しいが、毎月読んでいる月刊誌は休刊となった『映画秘宝』のほかは、『中央公論』と『Mac Fan』の2誌となってしまったた。代わりの映画雑誌といっても『映画秘宝』は唯一無二の存在。適当な雑誌は見つからない。
さて休刊号ですが、特集「2019年度 映画秘宝ベスト&トホホランキング」のほかでは、藤木TDCによる梅宮辰夫の追悼記事がよかった。先月の新文芸坐の追悼企画の前に読みたかった。こういうシブいライターたちの記事が読めるのも『映画秘宝』の良い所だったのに休刊はいかにも惜しい。
さらば『映画秘宝』。どこかで再会する日まで。