先週末、AbemaTVで配信されてたアニメ映画『ヴイナス戦記』(監督:安彦良和)を見た。近未来の金星を舞台にした戦争SFアニメ映画。これを全編見せてくれるという、AbemaTVの太っ腹に乾杯。
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このアニメ映画は安彦良和の漫画作品を原作にして自らが監督を務め、1989年に劇場公開されたSF作品。主人公の声を少年隊の植草一秀が演じたことでも話題になった。しかし興行成績はまったく振るわず、安彦は作品を「封印」して、アニメ業界から離れることになったいわくつきの作品でもある。
ああ懐かしいなと思って映画を見たが、作画こそ80年代後半という時代の到達点にあるといってよいレベルだが、作品としてはイマイチの感は拭えない。脚本・演出がよくないといくら作画がよくても作品としては成立しない、という当たり前のことを痛感させる作品である。懐かしさ補正しても残念な作品という印象は変わらない。
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本編を見たあと、公開30周年記念のBlue-ray発売のプロモーションで『ヴイナス戦記』特番が地上波で放送されたので、これも併せてチェックした。安彦自身が作品について語っている貴重な映像。ナレーションは映画で通信社記者スーザン・ソマーズ役を演じた原えりこ。
同じく監督を務めたアニメ映画『クラッシャージョウ』を見た後、公開30周年記念として2018年に新所沢でイベント上映したときに会場で映画を見た安彦は「意外によくできている」と感じて、ついに「封印解除」することにしたと番組で語っていた。そして、ついにパッケージソフトが発売されることになった。
たしかにアニメ映画『劇場版 クラッシャージョウ』(1983年)はいま見ても面白いが、『ヴイナス戦記』はどうかなと思ったが、まあ本人がそう言うならそれでいいだろう。
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それからも『ヴイナス戦記』のことが妙にひっかかっていたので、映画パンフレットも見てみた。当時の販売価格500円。このパンフレットを読んでようやく映画の細かい設定や物語の背景が見えてきた。映画を見ただけでは、なんで戦っているのはさっぱり伝わってこなかったのは、やはり説明不足というほかない。残念だなぁ。
パンフレットに、スタッフやキャストの顔写真が載っていた。さすがに30年前。安彦をはじめみんな若い。時代の流れとともに封印された期間の長さを思わずにはいられない。