退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『本能寺ホテル』(2017) / 綾瀬はるかが戦国時代にタイムスリップするSF映画

DVDで映画『本能寺ホテル』(2017年、監督:鈴木雅之)を鑑賞。ヒロイン・綾瀬はるかが、本能寺の変の前日にタイムスリップして織田信長に出会うSF映画。タイトルはなかなか上手い。

繭子(綾瀬はるか)は、恋人・恭一(平山浩行)の両親の金婚式のパーティーに出席するために京都を訪れる。手違いで予約していたホテルに泊まれずに困ったいたが、路地裏の「本能寺ホテル」にたどり着く。支配人(風間杜夫)の案内によりエレベーターに乗るが、そこでタイムスリップして戦国時代に迷い込む。眼前に現れたのは天下統一を目前にした織田信長堤真一)。しかも本能寺の変の前日だった……。


映画「本能寺ホテル」予告編 #Haruka Ayase #Shinichi Tsutsumi

まず納得できなかったのは、繭子の口から明智光秀高嶋政宏)の謀反を知った信長が、その運命を受け入れてしまうこと。信長なら本能寺から脱出して歴史が変えるぐらいことは平気でやるだろうに。なぜ光秀に潔く討たれることを選ぶのかという点に説得力がない。

またタイムスリップのアイディア自体は悪くないが、現代と戦国時代を何度も行き来して、それぞれの時間軸でストリーが進んでいくのが分かりにくいし、あまりに都合がよすぎるだろう。それほど何度も戦国時代に行くのなら、光秀が謀反を決意する経緯や豊臣秀吉を後継に選んだ理由を丁寧に追ってほしかった。

天然系の綾瀬はるかにあて書きしたと思われる脚本は局所的には面白い場面もあるのだが、肝心のタイムスリップの使い方についてはヌルいなと思ってしまう。

映画のみどころを探すのは難しいが、あえて言えばボディラインを隠そうともしない綾瀬はるかの白いサマーニット姿だろうか(キャプはこちら)。是枝裕和監督の映画『海街diary』でも同じようにボディラインがきっちりでる衣装を着せられていた記憶があるので、監督たちをそう思わせる何かがあるのだろう。事務所的にもOKのようだし……。

綾瀬はるかは、すでに大河ドラマ主演を果たすなど押しも押されもせぬ女優だが、映画についても代表作がほしいところ。もっと出演作を選んだようがいいだろう。願わくば、あの豊満をボディを活かした悪女役に挑戦してほしいなと思っています。よろしく。