退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】『カセットテープ少年時代 80年代歌謡曲解放区』(KADOKAWA、2018年)

昨年10月から始まった、「BS12 トゥエルビ」で放送されている音楽番組「ザ・カセットテープ・ミュージック」(毎週金曜深夜放送中)の書籍化。テレビ番組の書籍化なので、番組を知らない人は何の本だろうと思うかもしれません。芸人のマキタスポーツと、音楽評論家のスージー鈴木がが80年代歌謡曲を熱く語る、いまどき珍しいな音楽番組。毎週みています。80年代を体験しているおっさん向けですね。

番組のように音楽が流れるわけではないので、紹介されている楽曲の音源を用意して、これを流しながら読むのがオススメです。実際、この本を読んでどんな曲だろうと思って聞いてみた曲もおります。音楽的視野が広がる効果も期待できます。

とは言うものの音楽的嗜好は人それぞれなので、本を読んでいて「ちげえよ」と言いたくなるところもありますが、寛容な気持ちで読み進めるのがよいでしょう。ちょっと驚いたのは、チェッカーズの評価が高いこと。まあ十人十色ですね。

番組を見ていると、ギターを演奏しながらコード進行を暑く語るなど、どちらかというと音楽的技巧や理論に重点を置いているように感じられます。個人的には「80年歌謡曲」といえば、アイドル歌謡は見逃せなません。音楽的に見るべきものは少ないかもしれませんが、もっと取り上げられてほしいものです。

まあ、この本でも松田聖子のように楽曲に恵まれて、音楽的にも卓越しているアーティストの場合はちゃんと取り上げられていますが……。もっと世俗的な観点で80年代アイドルの楽曲にも光を当ててほしいなと思います。よろしく。

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余談ですが、BS12といえば、かつては宝塚歌劇関連の番組が放送されていてよく見ていたのですが、いまは資本関係が変わったのか立ち消えになってしまいました。何のためにBS12があるのかだろうと思っていたが、ようやく見るべき番組が登場しました。いまBS12で唯一見ている番組ですが、長寿番組になってほしいです。

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