俳優の隆大介さんの訃報が届いた。64歳。
隆大介さんは無名塾出身。黒澤明監督の『影武者』(1980年)で織田信長を演じたり、大河ドラマ『峠の群像』などで活躍した。背が高く時代劇で侍姿が似合う個性派俳優だった。
- 発売日: 2009/10/23
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また個人的には、伝説のカルト映画『幻の湖』(1982年、原作・脚本・監督:橋本忍)に出演したことで印象に残っている。名画座で初めて見たときの衝撃は今も忘れられない。
この映画は、愛犬を殺されたジョギング好きのトルコ嬢(南條玲子)が、出刃包丁片手に犯人を追い回す話。途中、本格的な戦国時代のパートが挿入されたり、果ては宇宙にまで舞台が移ったりする奇想天外なストーリー。いまの製作委員会方式では決してできない作品だった。
そのなかで隆大介さんは、本筋の現代劇と挿入される戦国時代編の両方に二役で出演している。ラストの宇宙飛行士に扮した隆さんが笛を宇宙に置くシーンは必見。
本人はフィルモグラフィーから消し去りたい作品だったかもしれないが、多くの映画ファンの心なかには長く記憶されるだろう。ご冥福をお祈りします。