退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

アニメ「蒼き流星SPTレイズナー」を見ました! 打ち切りが惜しい名作

Amazonプライム・ビデオでテレビアニメ「蒼き流星SPTレイズナー」(全38話)を鑑賞。1985年から1986年に日本テレビ系列で放送された日本サンライズ製作のSFロボットアニメ。高橋良輔監督作品。

地球占領をもくろむ異星人グラドス人と地球人との間に生まれたエイジ(声:井上和彦)の皮肉な運命を描く。 1996年、人類の宇宙進出は火星にまで及んでいたが、宇宙開発の影では米ソの冷戦は緊張の度合いを高めていた。国連のプロジェクト「コズミックカルチャークラブ」に選抜された少年少女が火星に到着したとき、火星基地は謎の機動兵器SPTから攻撃を受ける。彼らを危機から救ったのは、異星人グラドス人と地球人の混血だという少年エイジだった。「地球はグラドスに狙われている」と告げにきたエイジは、少年少女とともに互いに反目しながらも祖国グラドスの追撃をかわしつつ地球を目指すことになる。

リアルロボットレヴォリューション 1/48 SPTレイズナー

ざっくりこんな話だが、とにかく大河原邦男が手がけたSPTがかっこいい。大河原邦男の展覧会に行ったとき、採用されたデザインより全長が短くキャノピーが強調されたデザイン案を見た記憶がある。なるほど、そちらのほうがよかったかもしれない。

ストーリーは地球がグラドスに侵略され地球が降伏するまでの時期と、その数年後のグラドスによる占領下の時期との二部構成でなかなか凝っている。少年少女がそれぞれ成長していくのもよい。とくにヒロインのアンナ(声:江森浩子)が美少女から美しい女性に変貌して再登場するのは見どころ。そのアンナが語り部として物語が進行する演出も効果的。

名作の予感を感じさせた作品なのだが、4クールの予定がスポンサーの都合で38話で突如打ち切りになっている。あまりに急だったため肝心の地球とグラドスの関係が十分に説明されないばかりか、ストーリーの連続性がないがしろにされた悲惨な最終回になっている。テレビ放送時は「ポカーン」となった記憶がある。いまならきっとネットで大炎上していたであろう。

これはすべて大人の都合で、毎週楽しみに見ているファンはたまったものではない。これまでに打ち切りになったアニメはたくさんあるが、なんとかソフトランディングさせるのが仁義というものだろう。これほど打ち切り方がひどいアニメは見当たらない。その意味で歴史に残る作品だろう。

放送後、OVAによりテレビ放送で失われた部分が補完されている。DVD-BOXではテレビ放送分とOVAがセットで販売されているが、Amazonプライム・ビデオでは配信されていない。権利関係がややこしいのだろうが、Amazonにアニメに詳しい目利きがいるのなら手当してほしいものである。