退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

テレビドラマ『おくさまは18歳』(1970年版):岡崎友紀と石立鉄男のコンビによる昭和のラブコメ

Amazonプライム・ビデオで配信されていたテレビドラマ『おくさまは18歳』(全53話)を見終わりました。1970年から71年にわたりTBS系列で放送された往年の人気ドラマです。

以前からちびちびと観ていたのですが、少し前にプライムからはずれると知りテンポアップして週末にようやく最終話にたどりつきました。

おくさまは18歳(1) [VHS]

18歳の高校生の飛鳥(岡崎友紀)は、急病で倒れたおばあちゃんの「花嫁姿を一目見たい」という願いを聞きいれ、親同士が決めた許婚・高木哲也(石立鉄男)と結婚式をあげる。ところが飛鳥は、なんと哲也が教師をしている名門高校・北辰学園に転入学することに!もし結婚がばれたら哲哉はクビ、飛鳥は転校…。ドキドキの新婚&学園生活が始まった!

本作は岡崎友紀石立鉄男のコンビによるラブコメです。回が進むにつれて岡崎友紀の芝居がこなれていく様子がよくわかります。コメディエンヌとしてもなかなかです。

このドラマではとにかく佐々木守を始めとする脚本陣が冴えています。学生運動などの時事ネタはさすがに時代を感じますが、いま見ても十分に面白い。放送時間が夜7時からだったこともあり、教師と生徒が夫婦というわりには性生活を匂わせる描写はなく、メルヘンタッチが貫かれています。これが時代を越えて楽しめる一因かもしれません。

出演者をみると、主演のふたりの他には、のちに「ルビーの指環」で一世を風靡する寺尾聰が演じる三枚目生物教師や、冨士眞奈美が演じるオールドミス(死語か?)の英語教師も楽しい。

また途中から参戦する漫画役のうつみ宮土理のコミカルな演技も愉快。そして、なにより転校生としてやっていくる松坂慶子の美貌は必見です。水着回では惜しげもなく見事なプロモーションを披露しています。

本作では、ショートヘアで中性的な魅力をアピールしている岡崎友紀ですが、意外にスタイルがよくてところどころでドキッさせられます。演出陣の狙いだったのでしょう。石立鉄男が二枚目なのも私には新鮮でした。

最終回、超美人の図書館職員の秋山ゆりが、学園長の森川信といっしょになるのは、「えー」と驚きましたが、その唐突な終わり方もこのドラマならではというところでしょう。

本作はいわゆる大映テレビの嚆矢ともいってよい番組ですが、後に数々の名作(迷作?)を残す大映テレビのパワーの片鱗を感じるさせる名作ドラマです。

余談ですが、このドラマに京王バスが登場することから京王線沿線で撮られてることがわかります。調べてみると「聖蹟桜ヶ丘」がロケ地のようです。もちろん50年近く前のドラマですから、現在の街並みと違うのは当然ですが、「失われた10年」などといいますが、当時と比べると日本の発展ぶりは大変なものだとあらためて感じさせられます。