NHKが受信料の支払いを拒んだ男性に対し支払いを求めた上告審で、金田勝年法相が最高裁に意見陳述を行い、放送法の規定は「合憲」との意見を述べた。
国が当事者でない訴訟で意見を述べることができるのは、「法務大臣権限法」に基づく措置である。珍しい事例で戦後2例目とのこと。
国が「合憲」とする根拠を知りたいと思い意見書が公開されてないのかと法務省のサイトを探すも見つからない。それどころか、トップページの検索窓から検索するとProxy Errorとなる体たらく。
気を取り直してニュースサイトで関連記事を読んでいると産経新聞の記事に、意見書で「合憲」とする根拠が紹介されていた。
法相は意見書で、ヨーロッパなどでは受信料を公共放送の主要財源としていること、公共放送には災害情報などを提供するという重大な使命があることなどを指摘。規定は「憲法に違反しない」としている。
この記事によれば合憲とする根拠は以下の2つ。
- 欧州諸国に公共放送で受信料を主な財源にしている
- 災害情報などを提供するなどの使命があり公共の福祉に合致する質する
しかしながら、前者は外国の例を引いてそのまま日本で合憲とは言えないだろうし、後者はNHKを解体して災害情報提供の機能のみを行政に移管すれば済む話である。
本当は意見書を叩き台に国民でNHKのあり方を議論すればいいと思うのだが、既得権益の権化のようなマスコミ各社にはそうした動きはない。
いずれにせよ、NHKとの受信契約義務を定めた放送法の規定の合憲性については年内にも最高裁の判断が示される見通しなので注目したい。ここで違憲判断が示されれば、NHK解体という放送界の転換点に立ち会うことができるかもしれない。それはそれで楽しみではある。