退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

ついに豊洲市場問題で百条委員会が設置される

2月22日、迷走を続ける豊洲市場問題の真相を解明するため、都議会で百条委員会の設置が議決されました。夏に都議会議員選挙を控え、今回の百条委員会設置に表立って反対する会派はなく全会一致でした。

http://jp.reuters.com/article/idJP2017022201001281jp.reuters.com

百条委員会とは、地方議会が設置する調査特別委員会。自治体の長や議員に疑惑や不祥事が起きた場合に設置され、通常の委員会よりも強制力があります。関係者への出頭や証言、記録提出を請求する調査権限があり、正当な理由がなく拒否したり、虚偽の証言をしたりすると、禁固刑や罰金刑などの罰則が課せられる、とのことです。

かなり強力な調査権限を備えた議会側のリーサル・ウェポンです。最近でも都知事だった猪瀬直樹氏と舛添要一氏をめぐる不祥事に対して、都議会が百条委員会の設置をチラつかせたとたんに二人ともビビってあっさり都知事を辞任しています。また2005年には東京都社会福祉総合学の設置をめぐり、実際に百条委員会が設置され、当時の副知事だった浜渦武生氏を事実上の更迭に追い込んでいます。

今回このリーサル・ウェポンの標的になるのは、さしあたり石原慎太郎都知事になりそうです。マスコミの取材に対して「逃げ回るのが一番イヤ」と豪語しましたが、どうなることでしょう。東京ガスの工場跡地に食品を扱う豊洲市場をつくるという、誰が考えてもスジの悪い案件がどのような経緯で実現したのか真相に迫ってほしいものです。

そうは言っても百条委員会で騒いでいても問題が解決するわけではありません。あの巨大施設が宙ぶらりんになっている現状は変わりません。こう言っている間にも膨大な額の維持費がムダに消えていき、卸売業者への賠償金もかさむばかりです。

夏の都議会議員選挙に向けての政治パフォーマンスの意味もあるでしょうが、どの方向に動くにしろもはや大物の御首がないと都民も納得できないくらいの大事に発展してしまいました。テレビで豊洲市場の空撮映像をみるたびに、「いったいどこに落とし所を見つけるのか」とため息まじにつぶやくばかりです。

Tokyo Metropolitan Government Building