新文芸坐で映画『ロブスター』(2015年、監督:ヨルゴス・ランティモス)を鑑賞。ギリシャ人監督だが本作は英語作品。ユニークな設定のSF映画。
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- 発売日: 2018/03/02
- メディア: Blu-ray
舞台は、パートナーを持ち家庭を営むことを義務付けられた近未来。“独身者”はホテルのような施設に送り込まれ45日以内にパートナーを見つけなかけらばならない。それができなかった場合、動物に変えられてしまう。ただし、何の動物に変えられるかはの本人の希望が通る。命がけの婚活だ。
独り身になってしまった男デイビッド(コリン・ファレル )は施設に送られてしまう。パートナーさがしに失敗したときはロブスターに変えられたいという。これでタイトル回収。参加者は動物に変えられたくないので、多少難があっても相手に合わせようとして無理をする。そのために生まれる悲喜劇が面白い。
結局、デイビッドはパートーナーを見つけようとするがうまく行かず、施設から脱走して“独身者”が集団生活する森に逃げ込む。皮肉なことに、そこでデイビッドは“近眼の女”(レイチェル・ワイズ)と恋に落ちるが、森には「恋愛禁止」の厳しい掟があった。ついにリーダー(レア・セドゥ)に二人の仲が露見して森を脱走するが……。
The Lobster Official International Trailer #1 (2015) Colin Farrell, Rachel Weisz Comedy Movie
まあこんな話だが、ラストは谷崎潤一郎の「春琴抄」を思わせる展開となり、「愛とは何か」という問いを観客に突きつける。
こうした不思議な設定を思いついた感性は賞賛されるべき。キャストも名優揃いで良質の不条理劇としても楽しめる。