退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995) / 押井守監督の代表作にして日本アニメの金字塔

東京国立近代美術館フィルムセンター (NFC)の《自選シリーズ 現代日本の映画監督5 押井守》で映画『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995年)を鑑賞。

原作は士郎正宗の漫画『攻殻機動隊』の第1巻。人間を操る天才ハッカー人形使い」と草薙素子ら公安9課の戦いを通して、人間とは何かという根本的な問いを投げかけるアニメーション作品。ジャパニメーションの金字塔と言っても過言ではない。

公開当時、世界のクリエーターたちにインスピレーションを与えたとされるが、20年以上経てなお古びていない。まさかNFC押井守特集で見る機会があるとは思わかなかった。NFCの客層にマッチするのかと懸念したが、案の定、上映開始後いきなりぐうぐう寝る観客がいてやれやれといったところ。

舞台は西暦2029年と設定されている。この勢いでテクノロジーが発展すれば「義体」「光学迷彩」など、本作品に登場する技術が2029年までに現実になるかもと思わせるほどリアリティが感じられた。作品の先見性にはいまさらながら驚かされる。

何度も見た作品なのでとくに述べることもないが、映画が終わって街で「歩きスマホ」を見て「スマホを後頭部にケーブルで接続すればいいのに」と妄想した。

この春にはバリウッドで制作された実写版が公開予定。こちらも楽しみにしている。

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