退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

市川團十郎主演のテレビ時代劇『宮本武蔵』(1975)が終了。最終回が残念だった件

BSジャパンの昼帯で放送されていたテレビ時代劇『宮本武蔵』(1975年、全26話)の放送が終了しました。12代目市川團十郎(当時:市川海老蔵)が武蔵を演じたテレビ時代劇です。

録画を見たら最終話「巌流島・慶長17年4月13日」の録画が悲惨ことになっていました。巌流島で武蔵が佐々木小次郎浜畑賢吉)と決闘するドラマのクライマックスなのにこれはひどい。22日に発生した福島県沖を震源とする地震のせいです。

災害時におなじみのL字場面になったうえに画面の右側には津波警報の海岸線の地図が常に表示されていました。東日本大震災津波被害を考えれば仕方ないのでしょうが、本気で津波警報を伝えるつもりなら通常放送は中止してそれに専念すればいい。時代劇を放送しながら津波警報を流し続けるという中途半端はやめてほしい。

翌日再放送してくれるかなとかすかな期待もありましたが、BSジャパンは完全にスルー。新番組が始まっていました。なんだかな~、という気持ちです。

宮本武蔵(二) (新潮文庫)

宮本武蔵(二) (新潮文庫)

  • 作者:吉川 英治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/02/28
  • メディア: 文庫

ここでドラマの感想について簡単に触れておきます。まず市川團十郎の武蔵は確かにかっこいいのですが、かっこよすぎて正直あまり強く見えません。殺陣も映画で鍛えられた時代劇のスターと比べるとやや見劣りします。それでも若い頃の團十郎の芝居は堪能できるのは美点。他のキャストでは又八を演じた目黒祐樹は傑出していました。

またシナリオが吉川英治の原作にどのくらい忠実なのか分かりませんが、各話のつながりが希薄なのは惜しい。とくに武蔵の弟子の二人を十分に描けていなかったのが残念でした。それぞれ少年期に武蔵の弟子になり、後に二人が出会う場面は面白いのですが、もっと二人の成長にフォーカスするとドラマに厚みが出たかもしれません。

【参考記事】