第2回囲碁電王戦で国産囲碁ソフト「DeepZenGo」と趙治勲名誉名人が対局、1勝1敗で迎えた最終局で黒番の趙治勲名誉名人が中押し勝ちして勝ち越しを決めた。ネットで生中継を見ていたが、趙治勲名誉名人の気迫溢れる対局は懐かしく感じられた。久しぶりにいいものを見た思いだ。
トップ棋士と互先で対局してこれほど緊迫した内容の囲碁になるとは技術の進歩には驚くばかりだ。今回は人間が勝ち越したが、そう遠くない将来に人工知能が人間を凌駕するのことは間違いない。こうしたイベントを楽しめるのは過渡期ならではであろう。
対局後の記者会見でドワンゴ川上量生会長は第3回囲碁電王戦をやりたいと意欲を見せていたが、「コンピューター vs. 人間」という企画が成立するの時期は意外に短いかもしれない。
また同じく記者会見の場で「DeepZenGo」の開発チームの加藤氏が、プロジェクトで培った技術を囲碁の普及にも役立てたいという趣旨のコメントをしていたのが印象に残った。市販ソフトをリリースを考えているようだった。
しかし個人的には現在の市販ソフトでも十分強いので、これ以上強くても正直あまりうれしくない。ただの対局ソフトではなく、指導碁を打ってくれて適切なアドバイスをしてくれるような教育用のソフトウェアができないものだろうかと夢想してみた。
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2016/06/03
- メディア: CD-ROM