第2回囲碁電王戦で国産囲碁ソフト「DeepZenGo」と趙治勲名誉名人の対局を見た。第1局は黒番の趙治勲名誉名人の中押し勝ち。
今年の3月、米Google社の囲碁ソフトAlphaが、トップ棋士のイ・セドル九段を4勝1敗で下した衝撃は記憶に新しい。既に囲碁でコンピューターが人類を凌駕したと思われていたのに、何をいまさらという気もしないが、ドワンゴ川上量生会長は「これで終わっては囲碁に失礼」と言い、この企画が実現した模様。なるほどそうかもしれない。
将棋では「人類 vs. コンピューター」という企画がヒットして、かなり長い間楽しめたのに、囲碁はこれでオワリなのはいかにも惜しいと思っていたので楽しみにしていたイベントだった。しかも囲碁界のレジェントとも言える趙治勲名誉名人が出場となれば見逃せない。これが少しでも囲碁の普及に役立てばと思う。
さて私は対局について解説するほど強くないが、序盤から中盤まではコンピューターが互角以上に打ち回していたようにも感じた。その後、趙先生が右下でミスしたときは万事休すかと思ったが、「DeepZenGo」もヨセでミスしてからアレアレという間に趙先生の勝勢に傾いていったようだった。
素人考えだが、序盤は人間が有利で終盤は一本道になるのでコンピューター有利かと思ったが、「DeepZenGo」がヨセに課題がありそうだったのは意外だった。この点は第2局以降にはっきりするだろう。
余談だが今回は豪華なホテルの一室で行われ、和室ではなく椅子を使っての対局だった。和室で長時間座布団に座っているだけでも不健康だといつも思っていので、タイトル戦でも椅子対局でいいのではないか。国際棋戦を考慮するならなおさらである。
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