アマゾンジャパンが電子書籍定額読み放題サービス「Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)」を、8月にも日本で開始することが複数出版社への取材で明らかになった、とメディア各社が、伝えています。
ちなみに米国ではこの「Kindle Unlimited」は2014年夏にサービス開始しています。日本は2年遅れということになります。
Amazonからの発表はないでサービスの詳細は不明ですが、以下に思ったことを述べます。
サブスクリプション・サービスへの流れ
音楽ではApple Music、そして動画ではHuluやNetflixなどのサブスクリプション・サービスが市民権を得ています。すでに利用している人も多いのではないでしょうか。私もHuluを利用していますがなかなか便利です。
このトレンドが出版業界にも来るのは自然な流れです。日本の場合。大手出版社の力が強いので交渉が難航していたのが、やっとサービスインの目処がたったということでしょうか。
図書館が充実しすぎている件
読み放題サービスを言われて想起するのは、一部の作家から「無料の貸本屋」と非難されている図書館です。もちろん公立図書館が無料だというのは、まったくの誤解で住民の血税で運営されているのは言うまでもありません。
地域差はあるでしょうが、私の周辺の公立図書館はとても充実しています。もちろんベストセラー本は長蛇の列に並ぶことになり、手にするのは数が月後ということもあります。それでも使い方を工夫すればとても便利ですし、読む本に不自由することはありません。
また首都圏で複数の地方自治体にまたがって生活していると、何枚も図書館の利用カードを持つことができます。これを組み合わせて有効に使うとさらに威力倍増です。
気になるのは品揃えだけどキラーコンテンツは2つ
このように図書館が充実しているので、正直「読み放題サービス」にはあまり触手は動きませんが、私にとってのキラーコンテンツが2つほどあります。
ひとつはコミックです。これは通常の本とは別腹です。しかも図書館の蔵書はイマイチです。評価の定まった大御所の作品はまあまあ揃っているのですが、新人作家やちょっと公序良俗に反しているようなタイトルの本は買ってくれません。海の物とも山の物ともつかない有望な作家をさがすのに、「読み放題サービス」は便利そうです。まあ品揃え次第でしょうか。
もうひとつは、Graded Readersの類です。これは、使用する主要な単語を制限し、全体の量や文法事項を調整し、英語学習者が辞書無しで読書を楽しめるように工夫された多読用の英語教材のことです。Penguin ReadersやOxford Bookwormsなどが知られています。
これは薄い割には高価で、しかもすぐに読み終わってしまいコスパが悪い。こうした本こそ図書館で共有すればいいと思うのですが所蔵している図書館がないので困っていました。このGraded Readersが「読み放題サービス」で利用できれば、英語の多読に再挑戦してみたいです。