退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】たっく『必要十分生活』(大和書房、2015年)

ミニマリズム」は今年下半期のマイブームでした。この本には、佐々木典士 『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』(ワニブックス、2015年)の後に流れ着きました。街なかで意識高い系の若者が、その本を「ぼくモノ」などと呼んでいたので、「ミニマリズム」はちょっとしたブームになっているようです。

必要十分生活~少ないモノで気分爽快に生きるコツ~

必要十分生活~少ないモノで気分爽快に生きるコツ~

最近の本はタイトル詐欺が多いですが、このタイトルは的を射ています。著者が「必要十分生活」を実現するために行っていることや持ち物を紹介していく、いわば自分語りの本です。しかもかなり極端です。

こうした本は「自慢しやがって」「だからどうした」といった批判を受けやすいものですが、このテーマに関しては嫌味はありません。むしろ様々な事例を知ることで読者が自分なりのライフスタイルを探していけばよいと思うからです。

筆者が実践していることのなかで参考になったことを挙げます。詳細は本を読んで下さい。

  • 机の上の物すべてをリックに入れて持って移動する(リックの中身を公開!)
  • 持ち歩くペンは2本(ペリカンのスーベレーンM400、油性ボールペン証券細字用)
  • 靴は三足(革靴、動きやすいスニーカー、サンダル)
  • 下着は三枚(毎日手で洗濯)

リックの中身を公開しているのは面白い。他人のかばんの中身は気になりますよね。見事なAppleユーザーでした。やっぱりAppleユーザーは変わった人が多いのでしょうか。

かばんの中身を見ると、どんな仕事をするための装備なのかということも気になります。この本も変名で出していますし、プロフィールにも職業は「リサーチャー」となっているだけで詳細は分かりません。リックで出社できるのはかなりカジュアルな業界でしょうか。まあ詮索しても仕方ありませんが。

この本にあるライフスタイルには共感できますし、実践例のなかには参考になるものが多く興味深く読みました。とくに「身の回りの物はトランクひとつに収まるだけにしよう」というのは実際に試してみたいなと思いました。

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