退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】小澤良介『LIFE STYLE DESIGN(ライフスタイルデザイン) ―「遊び」と「好奇心」で設計する これからの生存戦略』(きずな出版、2018年)

著者は家具インテリア店の経営をしている創業社長です。ご自身の体験から導いた「新しい生き方や働き方」を提案しています。成功した実業家らしく自信に満ちています。

まず面白いと思ったのはインテリアデザインのように、人のライフスタイルデザインを考えることができる、という発想です。具体的には、以下のようなライフスタイルデザインのコツを挙げています。

  • できるだけ不要なものは排除して、好きなことをする
  • 表面上のカッコよさだけでなく、中身や合理性を追求する
  • 朝、目覚めた瞬間に、一日が楽しくなるような毎日を送る
  • 自分の個性や強みを生かす
  • 自然や健康を大切にする

そして「最大公約数に好かれる人になろう」「SF映画やドラマが好き」など持論を展開していきます。このなかにはうなずけるものもあれば、そうでもないものもありますが、参考になる点が多くて有用でした。

そのなかで懐かしい思えるアドバイスがありました。「腕時計は多少無理をしてもいい物をしろ」というフレーズです。まだこういうのは生きているのかと正直驚きました。

社会人になりたてのころ「腕時計と靴はいいものを揃えろ」とメンターの人からアドバイスされたことがあります。そのこときはビジネスシーンとはそんなものかなと思い、そこそこのモノを着用していたこともありました。

それは結局、職種や状況によるだろうことがわかりました。まあオーナー社長として人に会う場合はそれなりの格好していないとマズイということもあるでしょうが、職種によってはチプカシでも構わないし、腕時計なんか付けなくてもいいでしょう。その人の立場によってTPOを考えて腕時計を選べばいいでしょう。

もうひとつ引っかかったのはのはセルフブランディングをしなさいというアドバイスです。これも大組織に属している人は悪目立ちするとかえってマズイだろうし、人それぞれでしょう。

ラスト近くに「人生を豊かにする具体的ツール」が紹介されていて面白いものを見つけました。そこではチタンのタンブラーや革製品、デルタの万年室など本物志向の一品を紹介されています。これまでの流れからブランド物のスーツを愛用しているかと思いきや、化繊混じりのセットアップがシワにならずによいのだといいます。そこは意外に実用的だなと思い、なるほどと思いました。しかしセットアップのブランドは特にオススメがなく拍子抜けしました。

この本はオーナー社長の自信溢れるアドバイスが満載なので、自分の立場を勘案しながら取捨選択しつつ自分のライフスタイルに確立に役に立てるという読み方をしたいところです。手軽に読めるので、ちょっとした空き時間に活用して通読するのをオススメします。

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