退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【訃報】萩原流行さん死去

俳優の萩原流行さん(はぎわら・ながれ)が、4月22日夜、東京杉並区でバイク事故で死亡した。62歳でした。ウエスタンルックが似合っていたのが印象に残ります。

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テレビの出演作でいちばん記憶に残っているのは、徳川龍之介(田原俊彦)と榎本英樹(野村宏伸)のコンビが活躍した『教師びんびん物語』(フジテレビ系列)です。

以下に追悼の気持ちをこめて映画の出演作を2本紹介します。

1本目は『蒲田行進曲』(1982年、監督:深作欣二)です。訃報が届いてからHuluで見直しました。萩原さんは、勇二という大部屋役者。銀幕スターの銀四郎(風間杜夫)の取り巻きのひとりを演じています。同じく取り巻きのヤス(平田満)が、小夏(松坂慶子)のために階段落ちをする映画です。

この映画は萩原さんの映画デビュー作です。つかこうへい事務所の縁で抜擢されたのでしょうか。決して大きな役ではありませんが、鋭気に満ちた姿を見ることができます。映画としてよく出来ていて文句なしに面白いです。企画の角川春樹はさすがです。興行的にもヒットした作品なのでいまでも容易に見ることができます。

2本目は『愛の陽炎』(1986年、監督:三村晴彦)です。実質は橋本忍の映画だったようですが、伊藤麻衣子主演の一風変わったアイドル映画。萩原さんは、伊藤麻衣子を裏切り「呪い釘」で呪い殺されるチンピラ役で、死後、実は誠実な人だったことが明らかになります。準主役です。

個人的には好きな映画なのでオススメなのですが、残念ながらDVDが発売されていないので観るのはむずかしいかもしれません。いつか名画座で『愛しのハーフ・ムーン』(1987)と二本立てで上映してほしいものです。
映画パンフレット 「愛の陽炎」 監督三村晴彦 出演伊藤麻衣子

萩原さんの若い頃の映画を紹介しました。個性派俳優としての芝居をまだまだ見たかったのですが残念です。ご冥福をお祈りします。

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