退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『スーパーGUNレディ ワニ分署』(1979) / 女捜査官のコンビが原作コミックにそっくりだった

シネマヴェーラ渋谷で、『スーパーGUNレディ ワニ分署』(1979年)を鑑賞。今年の8月に死去した曽根中生監督の追悼企画《追悼!曾根中生》のなかの一本。日活による篠原とおるのコミック『ワニ分署』の映像化作品。

警察内の秘密捜査組織に属する二人組の女捜査官を描く。ヒロインは横山エミー、そして相棒はジャンボかおる。横山のヤサグレ感とジャンボの体躯は、原作のイメージをうまく再現している。しかも二人の上司が岸田森だったのは儲けもの。

アバンタイトルで家族団らんの家庭にいきなり車が突っ込んでくる。曽根監督はこういうのも撮るんだと思いながら本編スタート。航空機導入をめぐる疑惑を捜査するという話だが、ぶっちゃけストーリーなんてどうでもいい。

前半は、横山エリーが拉致監禁されてクスリ漬けにされ、メチャメチャにされるシーンが見どころ。横山の汚れ役がすごい。いまならこれをやる女優もいないだろう。最後はゴミ捨て場に遺棄されて殺されそうになるが、危機一髪で相棒が助けにきて生還。

後半は、黒幕が航空機疑惑事件から世間の目をそらすために凶悪犯を脱走させて銀行強盗をやらせるというエピソード。三人組の強盗犯のリーダーを内田裕也が好演。強盗に占拠された銀行の緊迫感も十分。二人組が突入して銃撃戦の末、解決。

注文をつければ、女子行員に一線級の日活ロマンポルノの女優を配して、犯人がメチャメチャにするシーンがほしかった。またガンアクションがショボイのも気になるが、当時の日本映画では仕方ないのかもしれない。

Vシネマの原型のような映画だが楽しめます。あとこれから見る人は映画のなかで古尾谷雅人を探してほしい。インパクト大。

余談だが、本作は後に井上晴美主演で『82(ワニ)分署』(1995年)のタイトルでリメイクされている。おとなしめの映画だったので、「井上晴美はこの映画で脱がなくてどうする!」と思った記憶がある。

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