米アマゾンが月10ドルで電子書籍が読み放題になる新サービス「Kindle Unlimited」を開始しました。対象となるのは電子書籍60万タイトルとオーディオブック数千タイトルです。
「Kindle Unlimited」どうよ?
消費者から見れば、いくら月10ドルと言っても、どのタイトルが読めるのかに尽きるわけですが、ハリーポッターやロード・オブ・ザ・リングなどは読めるようです。客寄せパンダのようですが……。
しかし、下記の記事によればサービスインの時点では、Penguin Random House, Simon & Schuster, HarperCollins, Macmillan, Hachetteといった大手出版との契約はできていないため、読みたい本が何でも揃っているわけではないようです。
面白いのはオーディオブックを数千タイトル揃えている点です。さすが自動車社会のアメリカといったところです。
Huluと似てるケド…
読み放題の定額サービスと言えば、私も利用している定額の映像配信サービスのHuluを連想します。Kindle Unlimited と同じように、すべてのコンテンツが揃っているわけではありませんが、自分が見たいコンテンツがあれば定額なのは魅力的です。
さらに、思いがけない出会いもあります。普段なら絶対に見ないようなコンテンツでも、クリックするだけの手軽さからコンテンツに接するハードルがとても低い。ハズレも多いですが、見ていくなかで思わずアタリもあります。書籍でもそういうマリアージュが定額制の魅力の一つでしょう。
ただ、Huluで言えば東映がコンテンツプロバイダーから撤退したので、大好きな映画のいくつかが見られなくなりました。書籍でも好きなタイトルが作家のタイトルが読めないということはあるでしょう。要はこれをどう考えるかのか。
利益の配分はどうなるのだろう
他人事ながら定額制のビジネスモデルで気になるのは利益の配分です。一冊ごとに売上があれば、関係者で按分すればいいわけですが、定額制の場合はどのような計算をして、コンテンツプロバイダーに利益を配分するのでしょうか。気になります。
売上げは加入者数に応じて一定になるわけですが、利益の配分はダウンロード数で決まるのか、あらかじめ出版社から一定数は出版社から仕入れるカタチになるのでしょうか。
いずれにしても、月10ドル程度では作家にいくら渡るのか心配になります。新刊は対象外でしょうがが、どのタイミングで読み放題に投入されるのか気になるところです。コンテンツの対価が下がって、もう文筆業だけでは食えない時代になるかもしれません。