早稲田松竹で映画『ダラス・バイヤーズクラブ』(2013年、監督:ジャン=マルク・ヴァレ)を見てきました。実話を基にしたヒューマンドラマです。
1985年、電気工でロデオカウボーイのロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)は、HIV検査で陽性と診断され余命30日と言い渡されます。アメリカにでは治療薬の認可が進んでいないと知った彼は、メキシコに向かい、当時無認可だった治療薬を密輸販売を試みて、アメリカのHIV患者が治療薬を手にできるように奔走します。
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2014/09/02
- メディア: Blu-ray
この映画で驚いたのは、80年代当時、HIV治療薬に関しては、アメリカの治療薬承認が遅れていたこと。日本ではドラッグ・ラグ、つまり新薬承認が遅いことがよく問題視されますが、アメリカは進んでいるというという先入観がありました。でも実際はまったく違う実態を見せられて意外に思いました。
このアメリカのドラッグ・ラグが、HIVに対する社会的差別によるものなのか、映画でははっきりとは指摘されていませんが、どういう経緯でそうなったのか興味があります。差別と言えば、この映画でも主人公がHIV患者だと分かると、トレーラーハウスから追い出されたり、知り合いから避けられたり、激しい差別を受けます。もっともテキサスという地域性もあるのかもしれません。
それにして主人公の感じの行動力はすばらしい。当局と渡り合いながら、治療薬の密輸を続け、おそらく多くのHIV患者に恩恵をもたらしたのでしょう。これぞアメリカ人という感じの映画で、いかにもアメリカ人に受けそうなテーマです。
この映画では、主人公を演じたマシュー・マコノヒーの減量がよく話題に挙がります。「痩せればいいんかい」と思わなくもありませんが、IMDbの彼のページでこれまでの出演作の写真を見ると、なるほどスゴイと思わざるを得ません。オスカーを獲ったのも納得です。
あと、ちょっと苦言を言うならば、映画に治療薬を求めて、主人公が日本にやってくるシーンがあります。渋谷が映りますが、明らかに80年代じゃないし、話されている日本語もおかしい。日本のシーンは、もう少していねいに作ってほしかったなという思いは残りました。
余談ですが、この映画の終盤でおロデオのシーンが印象的でしたが、一度ホンモノのロデオを見てみたいものです。日本でやってるところないのでしょうか。
DALLAS BUYERS CLUB Trailer ( Matthew ...