先日、新文芸坐で映画『ビフォア・ミッドナイト』(2013年、監督:リチャード・リンクレイター)を鑑賞。原題は、Before Midnight です。イーサン・ホークとジュリー・デルピーが主演する恋愛映画。『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)』(1995)、『ビフォア・サンセット』(2004)につづくシリーズ第3作。舞台はギリシャの海岸沿いの田舎街です。
ビフォア・ミッドナイト ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2014/07/02
- メディア: Blu-ray
この作品は9年ごとに続編がリリースされています。本作は、第1作からすでに18年もの歳月がたっています。第1作でヨーロッパの長距離列車で劇的に出会った二人もすっかり中年です。だれしも等しく歳が取るわけですが、とくに女性にとっては残酷です。あのジュリー・デルピーですら……。況や◯◯をや。
本作は、親戚らと食卓を囲む食事のシーンも印象に残るものの、主にふたりの会話で成立している映画です。シリーズを通して言えることですが、やはり字幕だと魅力がかなりスポイルされているように思います。オリジナルのセリフで楽しめればどんな素晴らしいだろうといつも思うわけです。
さて今回は「飾らぬ思いを語り合う」とありますが、ぶっちゃけふたりの痴話げんかがメインです。とくに親類が二人で過ごせるように手配してくれたホテルの部屋でのケンカはちょっと怖い。上半身が裸のままでジュリー・デルピーが、イーサン・ホークと汚い言葉で罵り合うのは正直引いてしまします。案の定、PG-12指定になってます。個人的にはそういうジュリー・デルピーは見たくなかったなと。
この映画のターゲットである女性はどう思うのはわかりませんが、この映画の上映中、途中で席を立って帰る観客が少なくありませんでした。2本立てだったので、必ずしもこの映画を目当てだった人ばかりではないにしろ、あれだけ席を蹴る人が多い映画も珍しい。まあ前作を見ていなかったり、日頃から鬼嫁にうんざりしたりしている人にはキツイかもしれません。オーディエンスを選ぶ映画です。スイーツ仕様。
さて9年ごとに新作がつくられているシリーズですが、次回作はあるのでしょうか。ラストシーンで二人で美しい「サンセット」を見るシーンがありますが、40代前半で「サンセット」というのはいかにも早すぎる。ネタはいっぱいあると思うので、ぜひこのふたりで熟年カップルの恋愛映画を見られたらなと思います。