退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

「自民提言:配偶者控除、共働き世帯も同額に」に思う

自民党は5月20日、「配偶者控除」を見直し、専業主婦世帯と共働き世帯で控除額を同額にすべきだという提案を行い、政府の成長戦略に反映される提言「日本再生ビジョン」に盛り込んだ。

政府の成長戦略に反映させるため自民党がまとめた提言「日本再生ビジョン」の全容が20日分かった。女性の就労を妨げているとの指摘もある所得税配偶者控除を抜本的に見直し、専業主婦世帯と共働き世帯で控除額が同額になる仕組みを提案した。子育てや介護の費用を税制面で優遇する「家事支援税制」の導入も求めた。
(以下略)

Source: http://www.47news.jp/CN/201405/CN2014052001002435.html

提言の内容

今回の提案は、共働き世帯と専業主婦世帯との間で所得税額の差が出にくくし、女性の社会進出を促すのがねらいで、政府の成長戦略の柱に位置づけられている

現行の配偶者控除は、配偶者の年収が103万円まであれば、本人の給与所得から38万円まで控除でき所得税が安くなる。そのため夫か妻だけが働く世帯に恩恵が大きい。一方で、パートの妻らが103万円に届かないよう仕事量を調整する事例も多くみられ、女性の社会進出を妨げていると指摘される。いわゆる103万円の壁である。

今回の提案では、夫婦それぞれが基礎的な控除を持ち、妻が控除を使わない場合は夫が使えるなど互いに控除を融通できるようにする。そうすることで妻の働き方によらず世帯単位で控除が同額になる。

さらに、専業主婦などを対象に保険料の負担がない公的年金の「第3号被保険者制度」の見直しも提言に盛り込まれている。

単身者世帯との公平性はどうなる

共働き世帯と専業主婦世帯との差について議論が集中しているが、単身者世帯とのは比較はどうなるのだろう。

今回、単身者世帯については詳細を伝えてないが、上記の個人の基礎的な控除が、単身世帯にも夫婦世帯の半分が確保されれば、一応公平ということになるだろうか。当然、新しく設けられる「家事支援税制」も適用対象にならないといけない。

そもそも、現行制度で結婚している「だけ」で控除が大きくなったり、公的年金で優遇されたりするのはワケがわからない。子育てや介護に対して税制面で優遇されのならば納得できるが、それは世帯構成に関係ない話であろう。その意味では民主党が実施した子ども手当は、いい線いっていたと思うが、給付ではなく税控除にするべきだったろう。

モジュール化しよう

税制はもっと単純にならないかいつも思っている。次のようにしたらどうだろうか。子育てや介護をモジュール化して考えればよい。ただし控除額は単純化するために適当な額を示す。

  • 個人に一律100万円の基礎控除額を付与する
  • 夫婦間で互いに基礎控除額を融通できる
  • 親権者には子ども一人あたり30万円の控除を付与する。ただし3人目以降は50万円。
  • 要介護者・要支援者を介護する者には、認定結果に応じて一定額控除を加算する

このあたりをベースに議論を始めたらいいと思う。とにかく、平日、公営テニスコートでプラプラしている専業主婦が不当に優遇されている現行制度の見直しは急務である。
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