地元では近々地方選挙が予定されており、ポストにチラシが入るようになりました。公約でよく見かけるのは「待機児童ぜロ」です。有権者にウケル話題なんでしょうね。
待機児童とは何でしょう。国は、保育室、認証保育所、家庭福祉員(保育ママ)などに在籍している児童を除いた、認可保育所への入所を希望して入所できない児童を待機児童としています。
では、そもそも行政は待機児童を減らし、ゼロにする義務があるのでしょうか。児童福祉法24条1項には、「保育の必要がある場合保護者の申し込みがあれば市町村は保育しなければいけない、またやむを得ない場合も適切な保護をしなければいけない」とあり、これが行政が待機児童ゼロにする努力を求められる根拠とされています。
いま住んでいる自治体の最近6年間の待機児童数の推移を調べてみると、自治体の取り組みにより保育施設の定員は年々増えているにもかかわらず、待機児童数は年々増加しています。申し込み数が増えているのは明らかです、少子化が叫ばれて久しいのに、なぜこうしたことが起きるのでしょう。
男女共同参画社会の理念の浸透、あるいは単に経済的理由により、出産後の子供の乳幼児期や小学校入学前の時期も専業主婦にならずに働く女性が長期的に増加しているのは確かのようです。最近は少子化による労働人口の減少が予想されるなか、育児世代の女性労働力を活用するという国家レベルの要請もあるようです。また自治体としても、税収の増大のためには女性に働いてもらうことにインセンティブが働くという側面もあるでしょう。
そうなれば自治体がやるべきことは明らかです。たくさん納税できる女性をターゲットにすればよい。具体的には保育料をある程度値上げして、少しぐらい高い保育料を払ってもまだメリットがあると考える女性だけを対象にすればよいのです。あまり稼げない女性は自分または家族が保育したほうが経済的利益があるとわかれば、わざわざ高い保育施設への申し込むこともなくなるでしょう。施設の定員とバランスするように保育料を設定すれば、一挙に待機児童問題を解決できるはずです。
さらに「無計画出産の防止」を啓蒙することも付け加えておきたい。経済的に無理があるのに無計画に出産する女性が増加したのも、こうした待機児童の増加を招いた一因でしょう。母子家庭になると勝ち誇ったようになるクラスタも散見されます。さすがに「おまいら貧乏人は子供を産むな」と産児制限をするのは無理があるでしょうが、「経済的余裕がないのに子供を産むと大変な苦労をするからよく考えてね」というDVDをつくって底辺校を中心に啓蒙運動をやるのはアリでしょう。無制限に保育施設を増やすより、よほどマシな税金の使い途ではないかと。
とは言うものの、こうした政策では選挙を戦えないと考える候補はいるでしょう。また「子供に罪はない」という言説に真っ向から反論できる人もそうはいないでしょう。しかし、子育てとは無縁の人たちを中心に「待機児童対策にどんだけ税金ぶっこむだよ」と心の片隅で怒っている人は意外に多いのではないでしょうか。そろそろ、そうした層を取り込むような選挙戦術をとる候補が出てきてもよいのかもしれません。