手にした瞬間、「あ、ちっさい本だなぁ」と思いました。サイズは15.6 x 12.8cmの変型判でかわいい本です。
主に雑誌『本の雑誌』に連載中の「乙女の読書道」という書評をまとめた本です。ふと自分のブログを読み返してみると連載開始時に紹介していました。そのなかで、池澤夏樹を父に持ち、福永武彦を祖父に持つ出自を明らかにしたらどうかなどと書いていましたが、今回、巻末に父娘対談が収録されていて、びっくり。
紹介されている本はかなり偏っていて、SFやファンダジーが多くを占めています。しかし例外もあります。三上延の『ビブリア古書堂の事件手帖』を紹介している回では、アニメやCDドラマで栞子役で声優をやりたいと売り込みをかけていたのが面白い。「実写版でもイケるよー(半笑)」と思いましたが、テレビドラマでは剛力彩芽が主演して物議を醸したことは記憶に新しいですね。
また、この本のなかの「向こう岸の父と祖父」というエッセイで小説の創作への意欲を滲ませているのも興味深い。書いたとしても、「そこそこの才能でまあまあ書けるけど大した事はない」などと自ら予測しているが、一度は読んでみたいものである。その日が来るのはいつのだろうか。いや、果たして来るのだろうか。