旧版(2008年刊)を読んでいたので「完全版」を書店で見つけて、近年のIT技術の発達で何が変わったのだろうかと思い読んでみました。
しかしクラウド技術やスマートフォンなどとは無縁でノート術は変わっていません。基本は次の3つのルールです。
- 一元化/「何でも書く」「何でも貼る」
- 時系列/日付を入れる。六桁ラベル [yymmdd]
- 索引化/ノートの中身を索引化して記録する。ex. 「〇〇のメモは185冊目の六桁ラベル[130227]のページにある」
旧版から追加されたのは、こうして情報をまとめたノートを活用してアイディアを生み出す手法、いわゆる「知的生産の技術」です。ジェームス・W・ヤング『アイデアの作り方』がベースでしょうか。巻末の「知的生産」に関するおすすめブックガイドも参考になります。
また、以前から筆者が実際に使っているノートははどれだろうかと気になってましたが、とくに決めてないようです。最初は手のひらサイズのリングノートで、現在はA5サイズに落ち着いているとのこと。歴代のノートの写真も載っていて長年の疑問が解けました。
巻末にはノート術に使っている文房具が紹介されています。文房具好きには興味があるでしょう。とくに糊を上手に使い分けているのがおもしろい。
一読してなるほど思ったのは「一度手を動かして書いたことは忘れない」ということ。Evernoteに情報集めるのは比較的簡単ですが、それだけじゃダメで、手を動かして作業する工程が重要らしい。最近デジタル技術にかまけて、手を動かすことが疎かになっている人も多いのではないでしょうか。
ただノートが100冊、200冊と溜まってくると、それに縛られるのではないかという不安があります。ノートを置いておく基地が必要になりますね。どこでも仕事をしたい人、流行語で言えば「ノマド志向」の人には別のアプローチが必要かもしれません。