退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】林修『受験必要論』

昨年「今でしょ!」が話題になった林さんが、どんな人なのかと思って読んでみた。インタビュー形式の本。表紙はインパクト大。

受験必要論 人生の基礎は受験で作り得る

受験必要論 人生の基礎は受験で作り得る

  • 作者:林 修
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/10/04
  • メディア: 単行本
筆者は東大法学部から長銀入行というエリートコースから予備校講師に転じて、予備校での厳しい競争を勝ち残ってきた。その経緯が読みどころのひとつ。人生は回り道をした方が味が出るのかとも思うが、成功者しか表に出てこないから割引いて考えないといけないかも……。

いちばん印象に残ったのは「感覚インフレ」。「自分よりもっとやっている仲間を見るうちに自分のやってることなんかたいしたことないという『感覚インフレ』が起きて、読書やって当然という水準が自然に上がる」という。

東大出身者が「自分はそんなに勉強しなかったよ」と話すのはよく聞く。なんて嫌味なヤツなんだと思っていたが、本人には「感覚インフレ」が起こっているから、実際はめっちゃ勉強しても気持ち的にはウソではないらしい。これが進学校のメリットなのだろう。

東大ネタでもうひとつ気になったのは、偏差値の頂点に君臨する東大は偏差値による輪切りの上端にあるから上限がなくとんでもなく優秀な学生がいる。これは東大にいないとわからない体験かもしれないがなるほどと思う。でも逆も真ならば、下端に位置するFラン大学にはどんでもないバカがいるってことか……。まあ、それは問題にする必要もないだろうが。

世間は受験シーズンまっただ中。自分や家族の受験を考えるにあたり、この本には様々なヒントがある。気軽に読めるのもよい。通勤・通学時に手にとってみてはみてはいかがでしょう。