- 作者: 郷原信郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/02/19
- メディア: 新書
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これまでこうした事件に接し、何かおかしいと感じた人は多いのではないだろうか。そうした人たちにとって、本書にある日本社会の分析は明晰に感じることだろう。
私などは、形式的な法令遵守で問題は生じるのは、法令に「社会の要請」を反映させる作業を怠っているからではないかと考えていたが、これはアメリカ式の考え方なのだそうだ(p.187)。「文化包丁」と「伝家の宝刀」の喩えがわかりやすい。
ただ一企業からみるすると、いかに「遵守」に異議があっても、蒙昧なマスからバッシングを喰らい企業業績に多大な悪影響があると予想される場合は、諾々と「遵守」するしかないだろう。そうした場合には、メディアがマスを啓蒙するのが、成熟した社会のありようかもしれないが、まあ現在のマスゴミにはムリだろう。
やはりマスのレベルに応じた社会しか持ち得ない、というとあまりに厭世的だろうか。