- 作者: 佐々木俊尚
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/07
- メディア: 新書
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キャッチーな書名はどうかと思うが、既存メディアの新聞とテレビとをバッサリ切り捨てているのは、読んでいて心地よい。でも、アメリカで起こったことが、3年後に日本で起こるというのは、いささか乱暴な気もするが…。
本書では、メディアの構造変化を説明するのに、「コンテンツ」「コンテナ」「コンベア」の3つの層に分ける「3Cモデル」を用いている。このモデルをさまざまな事例に適用して、メディアの構造がどのように変わりつつあるのかを明らかしているのは、わかりやすい。
メディアの構造上の変化を考えると、既存メディアの地位が相対的に低下するのは確かだろうが、まさか「消滅」ということはあるまい。畢竟、どのあたりに落ち着くかということだろう。
先日の護衛艦「くらま」の衝突事故では、いちはやく新聞社がヘリを飛ばして写真を流した。現在の体制で新聞社が存続するのは無理だとしても、取材機能はいずれかの組織が担う必要があるだろう。通信社などがいま以上に台頭してくるのだろうか。今後を注視したい。
読後の個人的な予想だが、まあ、金儲け情報を流し続けている日経新聞は別にして、一般紙はそのままでは生き残れないだろうが、テレビは「下流の娯楽」として当面はしぶとく残るのではないか。注目したいのは変化の速度だが、書名にある2011年までに大きな変化があるだろうか。