退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

ゴーギャン展@東京国立近代美術館

北の丸公園にある東京国立近代美術館ゴーギャン展を見てきた。夏休みを避けていたが、ようやく9月になりおずおずと出かけてみた

お目当ては、日本初公開の大作『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか』*1(Where Do We Come From? What Are We? Where Are We Going?)である。会場を順路に沿って進んでいくと、この大作の展示室に入る前に解説ビデオを見る構成になっていた。初めて見る人は、余計な知識なしにまずは絵画を目にする方がいいのではないか、と思ったが、こうした演出もありだろうか。今回、左下の白い鳥がとかげを踏みつけているのを見つけた。どういった意味があるのだろうか。

ゴーギャンは2度タヒチに渡ったことを、今回初めて知った。タヒチから1度はパリに帰ってくるのだが、家族や画壇に受け入れられず、「二度とヨーロッパには帰らない」と決意して、再度タヒチに渡航する。最晩年はさらに辺鄙な地には移り生涯を終えている。画家としての評価を得たのも死後のことで、恵まれない生涯だったようだ。

順路の終わりには、彼の年譜と軌跡を示す世界地図があった。南太平洋のタヒチが、まさにフランスからは地球の裏側であることがわかる。仏領だとはいえ、よくも最果ての地に渡ったものだとあらためて感心した。

ずっと積読になっているサマセット・モーム『月と六ペンス』を読みたくなった。

*1:ボストン美術館のコレクションデータベースに、[http://www.mfa.org/collections/search_art.asp?recview=true&id=32558:title=この作品の簡潔な解説がと音声案内がある]