退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

キネマ旬報: 橋本忍ロングインタビュー

キネマ旬報(2008年12月上旬号)で、最近リメークされた「私は貝になりたい」(2008年、福澤克雄)が特集されていた。そのなかでリメーク版の脚本を担当した橋本忍のインタビュー記事が載っている。

キネマ旬報 2008年 12/1号 [雑誌]

キネマ旬報 2008年 12/1号 [雑誌]

橋本は、1958年にテレビ版「私は貝になりたい」の脚本を書き、1959年の映画版では監督も務めている。いずれも、フランキー堺が主演している。今回リメークのために、その脚本を90歳にして自身で書き直したと聞いたときは驚いた。

今回の特集に、福澤監督が映画化の承諾を得に橋本に会いにいく件がある。結局「僕が1年かけて、きちんと書き直す」と言われるのだが、かなり驚いただろうと想像する。

今回、書き加えたものとして、”海”と、妻と矢野中将の”悲劇性”を揚げている。橋本が、撮影や編集に、なかりコミットしている様子がうかがえる。知人のなかでも観た人の評判がいいので、ぜひはやく劇場で見てみたい。

インタビューでは他の作品の思い出も語っていて興味深い。ついでに「幻の湖」についても語ってほしかった。

旬報に増當竜也が選んだ「橋本忍作品厳選12」が載っていたので書き写しておく。

  1. 羅生門」(1950年、黒澤明)
  2. 「生きる」(1952年、黒澤明)
  3. 七人の侍」(1954年、黒澤明)
  4. 「真昼の暗黒」(1956年、今井正)
  5. 「張込み」(1958年、野村芳太郎)
  6. 「黒い画集 あるサラリーマンの証言」(1960年、堀川弘通)
  7. 切腹」(1962年、小林正樹)
  8. 白い巨塔」(1966年、山本薩夫)
  9. 「上意討ち 拝領妻始末」(1967年、小林正樹)
  10. 「日本のいちばん長い日」(1967年、岡本喜八)
  11. 砂の器」(1974年、野村芳太郎)
  12. 八甲田山」(1977年、森谷司郎)