出産・子育てエッセイということもあり、これまでのシリーズとは趣がやや異なります。正直いうと、こうした体験は自分の胸にしまっておくのがいいと思いますが。ま、そう言ってしまうと、身も蓋もないのですが。
なかで面白いなと思ったのは、「母語…どちらのほう?」(p.108)という「トニーのつぶやき」です。トニーニョをバイリンガルでなく、トライリンガルに育てたいと書いています。両親の母語である日本語と英語の2つの言語を身につけてほしいというのは分かるのですが、なんと第3の言語まで習得してほしいと願うのは、すごい発想だなと思いました。
これは壮大な実験かもしれませんが、その結果には興味があります。この本では、トニーニョがやっと歩いたところで終わっていますが、是非、彼の「言語問題」の顛末を続編で読んでみたいものです。
- 作者: 小栗左多里&トニー・ラズロ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2008/03/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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