退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

「黒猫イクラと不思議の森」終了しました。やはりナチスは禁忌なのか?

昨年度後期に放送されていた、NHKラジオ語学講座「まいちにドイツ語」の応用編「黒猫イクラと不思議の森 (Ikura, die schwarze Katze und ihr Wunderwald)」が終了しました。オンデマンドのストリーム配信で聞いていたのでラジオから一週間の遅れです。

この講座は、木曜日と金曜日の週2回ドイツ語圏の歴史上の人物とその時代に背景を扱うとう内容です。木曜日は日独バイリンガル「黒猫イクラ」が不思議の森で歴史上の人物に出会い会話します。続く金曜日には、その人物と関係の深いテキストを読んでいきます。ドイツ語と歴史をいっしょに学ぶという欲張りな企画です。なかなか面白かったです。

欲を言えば、テキストをもう少し充実してるとありがたい。もっと丁寧に注釈をつけて、イクラとの質問応答を質問だけでなく答えもドイツ語で掲載してほしかった。せっかくの教材なので今回の講座を単行本としてまとめて刊行してくれるとありがたいですね。そもそも毎月テキスト買わないといけないのかが納得できません。応用編だけ半年分を一冊にして提供してほしいところです。

あと取り上げられた人物のなかに、ナチス関係者がいなかったのは不満アドルフ・ヒトラーが直接登場するのはマズいのかもしれませんが、エヴァ・ブラウンやヨーゼフ・ゲッベルスと黒猫イクラが会話するスキットは聞いてみたかった。

ナチス時代はドイツ史上の汚点かもしれませんが、歴史の大きな転換点であるだけでなく現代社会への重要な示唆も含んでいるはずです。NHKとしてはタブーなのかもしれません。またナチスの件だけでなく近現代史あたりになると、差し障りない人物やテーマばかりが選ばれているなという印象は拭えません。このあたりは限界を感じました。

NHK CD ラジオ まいにちドイツ語 2015年3月号