NHK BSプレミアムで2クールにわたり放送されていた、テレビアニメ『山賊の娘ローニャ』(全26話)が終了しました。
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2015/01/30
- メディア: DVD
スウェーデンのアストリッド・リンドグレーンの児童文学作品が原作で、宮崎吾朗にとって初のテレビアニメ監督作品としても注目された作品です。
このアニメの舞台は舞台は、中世ヨーロッパ風の世界に広がる雄大な森。主人公のローニャは、その森の巨大な古城に暮らす山賊マッティスの一人娘。両親や山賊仲間の愛情をいっぱいに受けて奔放に育ちます。ある日、ローニャは、ビルクという名の少年と出会います。ビルクはマッティスが対立する山賊の頭ボルカの息子。最初は対立していた二人はお互いを「きょうだい」と呼ぶほどに仲良くなっていく……。と、いった話です。
舞台は中性のヨーロッパ風なのですが、特定の文化・宗教的な背景はあまり描かれずに、森には鳥女や灰色小人のような想像上の生物が生息しているという不思議な世界観です。
また、オープニングテーマ「春のさけび」(作詞:宮崎吾朗 、作曲:谷山浩子、歌 :手嶌葵)がすばらしい。谷山節全開の楽曲でクセになります。躍動感たっぷりのオープニングアニメとの相性もいいですね。この「春のさけび」のタイトルは最終話のラストで見事に回収されますのでお見逃しなく。
正直、宮崎吾朗がこれほどできるとは思っていませんでしたが、「やればできる子」でした。最近は今回のような児童文学が実直にテレビアニメされることがなくなり、大人が見ても楽しめる子ども向けのアニメに飢えているせいかもしれませんが、すごくよかった。
萌えやSFばかりがアニメではないのでしょうが、『山賊の娘ローニャ』のような作品はビジネスを考えるとNHKでしかつくれない時代なのかもしれません。昭和には「世界名作劇場」や「日本昔ばなし」のような番組がゴールデンタイムに放送されていましたが、いまは大きなお友だちが喜ぶ深夜アニメ全盛の時代。隔世の感があります。