4月からテレビ朝日で日曜日早朝に放送されていた『暴れん坊力士! ! 松太郎』(全23話)が終了しました。ちばてつや原作の相撲マンガ『のたり松太郎』のアニメ化でしたが、主人公・坂口松太郎を暴れん坊将軍の松平健が声をあてるので「暴れん坊力士」というタイトルになりました。
原作は、青年誌で連載したため過激な描写もありますが、アニメでは子どもの時間帯であることを考慮して随分とマイルドなテイストに変更されていました。毒気が抜けていて物足りないですね。
今回、アニメが放送されたのを契機に原作をちびちびと読み直しています。まだ、松太郎が幕下付け出しで初土俵を踏み、全勝優勝するあたりまでしか進んでいませんが、松太郎のクズっぷりはハンパありません。
未成年で飲酒して騒ぎを起こし、南先生を相手に婦女暴行未遂事件を起こし、挙句の果ては入門した部屋の雷神親方を「老いぼれ」呼ばわりする始末です。「くずうううううううう」と叫びたくなるクズっぷりです。こうした描写は子ども向け番組としては適当ではない、ということかもしれませんが、原作の良さがスポイルされています。いっそのこと深夜枠で思いっきり黒い松太郎を描いてほしかったです。
そうかといって、相撲アニメとして相撲中心に進行するかというとそうでもなく、グダグダしたエピーソードが続きます。ざっくり相撲成分は2割ないし3割といった程度でしょうか。それでも最終回の天才力士・近藤(モデルは遠藤か)との対決はなかなか見応えがありました。やればできるじゃないか。
アニメは、暴力沙汰を起こしたため雷神部屋を破門になった松太郎と田中がどこかへと旅立つシーンでとりあえず幕となります。まだ関取にもなっていません。続編があれば見ると思いますが、数字を取れたのかどうか。あまり期待しないで待つことにします。