ブギの女王・笠置シヅ子の人生を実際のエピソードと自身の言葉・写真でたどる一冊。もちろん現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の便乗企画。笠置シヅ子の一人娘・亀井ヱイ子氏が監修しており、巻末にはヱイ子氏のインタビューが載っている。
テーマごとによくまとまっていて、ビジュアルも優れているのでとても読みやすい。表紙もインパクトがある。年譜がきちんと付いているのも美点である。
ただし身内が監修しているためか、内容はあたりさわりがなく物足りない。パートナーだった吉本穎右との関係は実はどうだったのか。またシングルマザーとなった経緯はどうだったのか大いに気になるところだが、核心には触れていない。また有名な美空ひばりとの不仲説については一応紙面を割いているものの、これも無難な内容で面白みに欠ける。
それでもドラマを通して笠置シヅ子に興味を持った人にとってはよい本である。さらに興味が尽きない人には巻末の参考文献にあたってみるのも一案だろう。本書は最初に手に取ってる本としてオススメできる。