退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

松平健主演の時代劇テレビドラマ「忠臣蔵」(2004年)を見てみた

一昔前は「忠臣蔵」は年末の定番だったが、すっかり新作が制作されることなくなった。さみしいがテレビ業界に経済的余裕がなくなったせいだろう。

そうしたなか今年は、2004年に「テレビ朝日開局45周年記念企画」として放送された「忠臣蔵」がBS朝日放送された。放送当時、1時間枠で全9話だったが、今回は4日間にわたり放送された。大石内蔵助役は松平健吉良上野介役は伊東四朗

脚本は古田求のオリジナルが用いられている。この脚本は元々は他の番組のために書き下ろされたものだが、その後の何度か使われて、本作は4度目の採用となる。

尺は8時間余りほどある。これだけあると、知られている見せ場をあまねく網羅することでき、オーソドックスな「忠臣蔵」として安心して楽しむことができる。よくできている。何度も脚本が採用されている理由もわかる。

内蔵助を演じる松平の安定感のある演技、そして吉良上野介に扮する伊東の憎々しい演技は素晴らしい。しかし、日本映画が黄金期にオールスター総出演で作られた映画に比べるとキャストが弱い。せめて瑤泉院や大工の娘・お艶あたりは大物をキャスティングしてほしかった。大映版だと山本富士子若尾文子だったのだが……。まあ比べても仕方ない。

演出面もオーソドックスで無難というところ。ただ気になったのは、場面場面で挿入される謎の効果音。当時流行っていたのだろうか。最後まで気になった。

この作品が放送されて30年ほど経った。本格的な「忠臣蔵」がつくられたのは事実上本作が最後かもしれない。もう大石内蔵助を演じきる俳優はいないだろう。

映画でも近年は『決算!忠臣蔵』や『身代わり忠臣蔵』など変わり種ばかりである。いまでは「忠臣蔵」を知らない若者も多いらしい。これも時代の流れだろう。