退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

陸自銃撃事件を受けてテレビドラマ「テッパチ!」を見直したい

陸上自衛隊「日野基本射撃場」(岐阜市)で自衛官3人が銃撃されて死傷した事件から1週間ほど過ぎた。衝撃的なニュースだったが、任務として小銃を扱う以上、こうした事件は一定の頻度で起こるのは避けられないとも思う。40年ほど前に山口でも同様の事件が起きている。

報道を見る限り、いまだにに事件を起こした自衛官候補生の動機がはっきりしないのが不気味である。事件を起こした候補生の奇行が報じられていることから、採用試験で排除できなかったのか、さらに実弾射撃の訓練する前の訓練の段階で適正をチェックできないのかと残念に思う。

さて、この事件に接して思い出したのは、2022年夏にフジテレビで放送されたテレビドラマ「テッパチ!」だった。ちなみにテッパチというのは自衛隊で使用されている戦闘用ヘルメットのことらしい。主演は町田啓太。

ドラマは2部構成になっている。前半の第1部では入隊までの経緯と自衛官候補生の訓練生活を、第2部では、訓練を終えて部隊に配属された自衛官としての活動を描く。

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前半がまさに事件が起こった自衛官候補生の訓練課程を舞台にしている。ドラマは基本的には青春ドラマ仕立てであり、訓練の詳細が描かれることはあまりなかったのが不満だったが、自衛隊のバックアップのもと自衛隊車両が登場したり、出演者が戦車の上に乗ったスチル写真がポスターに使われたりしていて、自衛隊のPRという色合いも濃かったように思う。

これと言ってお目当ての女優も出ていないのに最後まで見たのは、自衛隊を舞台にしたシチュエーションのためだろう。主演の町田啓太を中心に若手男性俳優たちが鍛えた筋肉を見せびらかす演出も女性をターゲットにしたウリだったのかもしれない。またマドンナ的存在で白石麻衣が士官役で出演しており、メイクのためか照明のためかわからないが、やたらと顔が白かったのが面白かった。

いま、ちょっと見直したいドラマなのだが、一般的にテレビドラマはなかなか見直す機会がない。とくにフジテレビは配信を囲い込んでいるからなおさらである。残念なことである。