退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『THE LEGEND & BUTTERFLY』(2023) / キムタクが演じる信長の半生

Amazonプライム・ビデオで映画『THE LEGEND & BUTTERFLY』(2023年、監督:大友啓史)を鑑賞。主演は木村拓哉。英語のタイトルがシャレオツだが、「レジェンド」は織田信長のことであり、「バタフライ」は「帰蝶」と言われた信長の正室濃姫のことらしい。木村拓哉が信長の半生を演じる一大時代劇映画である。

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封切り当時、よく利用する駅に信長役の木村拓哉帰蝶役の綾瀬はるかのツーショットの大きなポスターが貼ってあった。「ふたりが近かいなぁ」と大いに気になっていた映画である。映画館に見に行こうとかなと迷っているうちに見逃してしまったが、今回、こんなに早くアマプラで見れるとは驚きである。

信長の変化を追うが、キムタク信長が豹変して闇落ちして二人が別離するあたりの経緯がわかりにくいのはいただけない。ただし明智光秀が腑抜けとなった信長への謀反を決意する流れはちょっといい。

またクライマックスの本能寺のシーンで、キムタク信長が危機を脱して帰蝶と二人で海に船出する妄想シーンはインパクトがあった。戦闘シーンよりこの妄想シーンにカネを突っ込んだなのは正解だろう。

よく知られた戦国の時代を背景に信長と帰蝶の恋愛映画とも解釈できるが、今の時代に信長の半生を描くという大風呂敷を広げて1本の映画に仕上げたのは大したものだ。しかし、いかにも手垢がついたエピソードが続き小さく収まってしまっていて映画としての面白みには乏しい。