デジタル庁の河野太郎大臣は10月13日、2024年度秋に現在の健康保険証の廃止を目指すと発表した。現行の健康保険証はマイナンバーカードに一体化する。
マイナンバーカードは、政府の目論見どおりには普及していないが、健康保険証とマイナンバーカードを一体化するのは筋がいいように思う。
河野大臣が記者会見でも述べているが、「就職や転職、退職の度に保険証を切り替える必要がなくなる」というメリットは全体としてみれば大きいし、医療のデジタル化の基盤整備にも資することになる。
素人が考えても税金関係のほかにマイナンバーカードの活用分野でまず思いつくのは年金と健康保険だろう。
年金については、すでに年金手帳は廃止されて、ほとんどの年金情報はマイナンバーと紐付いている。私も確認してもらったが、すでにマイナンバーと年金はリンクしていて、マイナンバーカードで住所変更をすれば年金にも反映するとのこと。
健康保険証についても、継続して受診している医療機関に毎月健康保険証を提示するのも煩わしいし、紙のお薬手帳もアナログすぎて時代遅れの感は否めない。思いつくだけでも、これらがデジタル化するだけでもメリットは大きい。
さらに確定申告の医療費控除の手続きも自動入力できるというから、税金と健康保険が連携させたメリットが体感できる。これは利用者によってもわかりやすい。
いろいろ解決すべき課題もあるだろうが、ぜひ予定通りに実現してほしい。
さて河野大臣は運転免許証もマイナンバーカードに一体化する予定があり、当初のスケジュールから前倒しする方針を述べている。ところが国家公安委員長が、さっそく記者会見で「運転免許証は廃止しない」と表明している。
河野大臣は閣内の根回すらしないで勝手なこと言っているのかと呆れた。デジタル社会への移行にあたり、省庁間の利権争いが最大の障害かもしれない。