退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

「カノッサの屈辱」との再会

部屋を整理していると「カノッサの屈辱」の本を見つけた。

カノッサの屈辱」と言えば、世界史を勉強している学生は絶対に憶えていなければならない重要イベント。ローマ教皇神聖ローマ帝国皇帝との聖職叙任権を巡る対立から起こった事件。1077年、神聖ローマ皇帝ハインリヒ4世が破門を恐れてローマ教皇グレゴリウス7世に許しを請うたことは、あまりに有名である。

ただし、今回見つけた本は歴史的事件とはまったく関係ない。1990年初頭にフジテレビが深夜に放送していた教養風バラエティ番組の名称である。企画はホイチョイプロダクション。大学受験程度の知識をネタにしていたことから大学生が主なターゲットだったのだろう。ある意味、深夜番組の金字塔と言ってよい素晴らしい番組だった。

案内人はバイプレーヤーとして活躍した仲谷昇で、「教授」として登場するのが新鮮だった。もう、こうした個性的なテレビ番組はつくられることはないだろう。ネット上に当時の映像が散見されるが、当時の状況を知らないと楽しむのは難しいだろう。

ここからまったくの余談。仲谷昇といえば、2004年に閉館した自由が丘武蔵野館の最後のプログラム『おろしや国酔夢譚』にゲストで登場したことを思い出す。当時、東急沿線に勤務先があったので、レイトショーを見るために自由が丘武蔵野館には足繁く通ったものだ。その後、勤務先はM&Aでなくなってしまった……。光陰矢の如しである。