退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

CD-BOX「音の魔術師/作編曲家・萩田光雄の世界」を聞いてみた

「日本歌謡界の巨匠、作編曲家・萩田光雄サウンド・ヒストリー!」というコピーが踊る。文字通り日本歌謡界が誇る巨人・萩田光雄が、レーベルの垣根を越えて自ら選曲をした全92曲を収録したCD5枚組BOX。

皆が知っているヒット曲が目白押しであらためて驚かされる。とくに70年代後半から80年代にかけての楽曲は、この曲も萩田さんが関わっていたのかと、その偉大さを再確認できる。編曲者として有名なのは言うまでもないが、作曲者としても業績を残していることもよくわかる。

また今回は自選による選曲なので、ご自身に思い入れのある隠れた名曲も収録されているので、コレクションとしての価値も大きい。

CD-BOXには3冊のブックレットが付属していたが、そのなかの1冊は楽曲解説でだった。そこには各曲1ページを割いて解説が載っていて、これが素晴らしい仕事で参考になる。ちなみに曲ごとに萩田さん自らの短いコメントも掲載されている。

この解説書をたよりに全曲を通して聞いてみたが、さまざなな発見があった。このCD-BOXに収録されていないが、解説書に言及されている楽曲も聞いてみるのも一興だろう。

そもそも、こうしたレーベルを越えた集大成的なCD-BOXが出るのは「巨匠」の域に達している人たちばかりだが、「縁の下の力持ち」とみなされがちな編曲の分野で活躍した萩田さんがこうした企画でCD-BOXを出すことの意義は大きい。

音の魔術師/作編曲家・萩田光雄の世界