退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

往年のアイドル・菊池桃子が参加した「ラ・ムー」との思いがけない再会

ラ・ムー(RA MU)は、1988年、菊池桃子が脱アイドル路線を模索し、彼女をボーカルに据えて結成されたバンドである。音楽的にはキーボーディストの松浦義和が中心だったという。

当人たちはロックバンドを標榜していたが、菊池の歌唱はアイドル時代と変わらなかったし、黒人女性二人がバックコーラスについているなど、不思議なテイストのバンドだった。ブラック・コンテンポラリーを無理やり歌謡曲風にアレンジしたような楽曲といったらよいだろうか。

さて今回、ラ・ムーを見つけたのは「菊池桃子デビュー10周年記念企画」の2枚目のCD「スペシャル・セレクションII」である。サブタイトルには、「ラ・ムー〜ミロアール」とあるが、は不思議なことにリーフレットやジャケットに「ラ・ムー」の表記はない。M1からM13までがラ・ムーの楽曲である。

聞いてみるまでラ・ムー時代の楽曲が収録されているのは知らなかった。ちなみに「ミロアール」というのはラ・ムー解散後に菊池桃子名義で出したアルバム「Miroir -鏡の向こう側に- 」のことである。

ラ・ムーは、1989年に菊池の事務所移籍に伴う路線変更もあり、シングル4枚、アルバム1枚を出して事実上解散している。「アイドルの迷走」などと言われることも多いが、まちがいなくいまも印象に残っているし、いま聞いてみてもなかなかいい。

ラ・ムーの楽曲は入手困難ではなく、iTunes Storeでも配信されていて容易に聞くことができる。わたしのオススメは、3枚目のシングル「TOKYO野蛮人」である。片方の肩を出した菊池のコスチュームがよかったし、脱アイドルの試みは成功していたように思う。ぜひ当時の映像を見てほしい。

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スペシャル・セレクションII