退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

持続化給付金詐欺事件に思う

全国で新型コロナウイルス対策の国の持続化給付金を騙し取る「持続化給付金詐欺事件」が相次いでいる。


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驚くことに東京国税局鶴見税務署職員まで逮捕される事態となった。日本のモラルハザードも深刻な段階にきている。

以前より持続化給付金制度は、迅速な給付を目指すあまり、手続きが簡素化されて審査が甘いことが指摘されていたが、ここまで組織的な詐欺事件にまで発展するとは思わなかった。もうめちゃくちゃである。

もっとも給付の手続きはザルだったとはいえ、後で検証するのは容易であり、国がその気になって確定申告などの記録を洗えば不正受給は簡単に見つかることは自明である。それにもかからず、何億円の規模で不正受給があったことに唖然とする。詐欺罪は決して軽くない罪状である。

本来は確定申告や個人事業主の開業届の記録を使って人工知能が審査すればよいのだろうが、それができないならば給付はある程度ザルでもやむを得ないのかもしれない。それでも今回のような組織的詐欺事件を防止する仕組みできなかったのだろうか。

現在、不正受給を受けた人が給付金を返還したいと申し出るケースが後をたたないそうだが、「返せば詐欺がなかったことになるのか」という疑問は残る。当局はどのように扱うのだろうか。一罰百戒を意味もあるので徹底的に調査して法的措置を取ってほしい。やったもん勝ちは許しはいけない。

それにしても日本のモラルも落ちるところまで落ちたものだ。今後は性悪説に立って制度設計をしなくてはいけない時代になったようだ。

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