退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

三省堂書店神保町本店が閉店するというので行ってきた

三省堂書店神保町本店がビル建て替えのため、8日で営業を終え一時閉店する。

連休中、近くまで行ったので足を伸ばして閉店がきまった三省堂書店に立ち寄った。本の街・神保町のランドマークとして、約40年にわたって君臨していた。

私が大学進学で上京してまずチェックしたのは大型書店である。地方から出てきたお上りさんが、「さすが東京はちがうぜ」と感心したものだ。大型書店のなかで圧倒されたのは、この三省堂書店神保町本店、そして紀伊國屋書店新宿本店、八重洲ブックセンター本店である。ジュンク堂書店池袋本店はまだなかった。

当時、東京の左半分に住んでいたので八重洲は遠かったこともあり、よく行ったのは三省堂書店だった。JR御茶ノ水駅から明大前を通って駿河台下に抜けて、今はなき書泉ブックマート三省堂書泉グランデを巡回しながら、古本屋を見て回るのがルーチンだった。明大もいまのような瀟洒な建物ではなく、学生運動の立て看板が並んでいた。

理工書や参考書のコーナーを見て回ったが、それほど老朽化していてように思えなかった。しかしエスカレーター脇に掲示されていたサイン会などで来店した著名人の写真を見ると、故人が多いことからやはり歴史を感じる。

最近ではコロナ禍以前は名画座神保町シアターに行ったときは、三省堂書店東京堂書店を覗いていたので、それほど懐かしいという気持ちはなかったが、ひとつの時代が終わったという思いはある。

正面入口の壁面には「いったん、しおりを挟みます」という、しおりの形をした垂幕が掲げられていた。幸い書店事業から撤退するのではなく、建て替えのための一時閉店ということなので、再会を楽しみにしたい。