いま話題の眞子内親王の結婚問題を論じた本。筆者は、表紙に「皇統を揺るがす一大事」とあるように皇室を大切に考える立場である。
小室圭氏が米国から帰国したニュースを聞きながら本書を読んだ。筆者の杞憂は現実のものとなり、先日、眞子内親王と小室氏の結婚が正式に発表された。
「内親王に婚姻の自由はないのか?」という問いについては法的な是非は別にして、皇統の権威のようなもので、当人の意思を上書きできるのかとう問題でもある。今回は眞子内親王の意向が優先された結末となった。
これについてはさまざまな意見があろうが、本書は内親王の結構について様々な角度から論じられていて勉強になった。とくに、第二章「これまでの内親王・王女の嫁ぎ先」という章は興味深い。巻頭の「天皇家の系図」(p.22)を参照しながら読むと理解が深まるだろう。
この系図をつぶさに見ると明らかだが、このままでは皇統が断絶するのは間違いない。そもそもGHQは「皇統の緩慢なる死」を望んでいたフシもあるが、独立を回復した後も問題を先送りにしてきた日本政府の責任は重い。一応、日本は民主主義の国なのでひいては国民全体の責任である。
日本国憲法は1947年に施行後、一言一句改正されていない。しかし皇統断絶すればさすがに憲法改正せざるを得ないだろう。共和制への移行である。まあ次期天皇を目される悠仁親王は私より随分若いので、その一大イベントを見る機会はないだろう。